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荒井知事による奈良市役所「移転」強要問題―地方自治への干渉は許されない

 

 荒井知事が奈良市長に対し、高級ホテルと一体化の「まちづくり」のために「奈良市役所を移転せよ」とけしかけたことに、マスコミや市民団体から批判の声があがっています。

 

 

平城宮跡の隣にホテルと一体の「新市役所」!?

 

 老朽化が進む市役所庁舎について、奈良市は現地で耐震改修を行う計画でした。ところがこれに対し荒井知事は、市議会の勉強会の場で「平城宮跡南側へ移転建てかえ」を提案。ホテルと一体開発する新庁舎のイメージ図とともに「県が土地を先行取得した上で市に無償貸与する」というプランを示し、「耐震改修では将来の庁舎建て替え費用も含め154億円の財政負担だが、移転なら61億円で済む」として移転を主張しました。

 

 

現地で改修、将来縮小移転―奈良市長が反論

 

 一方、仲川市長は「知事の試算には誤りがある」と指摘。移転では固定資産税の減収が見込まれるほか、「市民と合意形成する時間がなく、現実的に難しい」として完成時期が約2年ずれ込むと試算。来年度末に迫っている国の交付税措置の着手期限には間に合わず、移転案の費用負担は知事の主張の2倍に相当する121億円に上るとしました。その上で、市が耐震改修を経て30年後に新庁舎を建設した場合、庁舎の規模を現在の3・3ヘクタールから2ヘクタールに縮小して移転すれば、財政負担は53億円と主張。耐震改修の18億円を加えても71億円で済み、知事提案より有利になるとしました。

 

 

 

猛暑つき市民集会―「市民の安全を」「知事の越権許されない」

 

 そんな中、猛暑の7月25日、知事の越権行為に反対する市民の集会が市役所前で開催されました。参加者から「マリオットホテルのときも、隣の奈良警察署を強引に移転させた。ホテルのために好き勝手に公共施設を動かすのが知事のまちづくりなのか」「市民の安全を守る耐震化工事を早く行ってほしい」「知事の越権行為は許されない、市長も市議会も市民のためにがんばって」など発言がありました。

 市庁舎は奈良市民の財産であり、そのあり方は市民と市議会が決めることです。多くの市町村では、庁舎を移転するとなれば市民的な議論を何年もかけて行い、議会でも十分議論を尽くし、全会一致で決定するなどしています。知事のやりかたは、地方自治法の趣旨にも反します。

 

 

「ホテル建設ありき」から「宿泊しようと思える」観光政策へ

 

 知事が奈良市役所移転案を持ち出した背景に、県がすすめる「ホテルを核とした賑わいづくり」構想の一環として、現在市役所の向かいに建設中のマリオットホテルと連携した「まちづくり」をすすめたいという発想があります。県内ではすでに、奈良公園内の高級ホテルや、天理市郊外の「なら歴史芸術文化村」などホテル建設の工事がすすめられており、今後、中央卸売市場(大和郡山市)、NAFIC(奈良食と農の魅力創造国際大学校:桜井市)、ならまちセンター前など、次々とホテル構想が具体化されようとしています。

 しかし一方で、ホテルを次々建設しても宿泊客は増えず、需要が伸びなやむ現実があります。ホテル建設ありきの観光政策から、「宿泊してでも観光しよう」と思ってもらえる、内発的動機を高める観光政策への転換が求められているのではないでしょうか。

カテゴリ:まちかどの声 | 20:05 | comments(0) | - | - | - |
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