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3〜5歳児対象の「奈良県版就学前教育プログラム」を考える

 

小中学生の学力テスト・体力テスト結果を理由に、幼児教育を強化?

 

 奈良県は昨年より「就学前教育プログラム」と称し、3〜5歳の幼児に特別なカリキュラムの“遊び”“運動”“しつけ”をおこなう事業に取り組んでいます。その理由は、毎年小学6年生と中学3年生を対象に全国いっせいに行われる「全国学力学習状況調査」「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」で、奈良県の児童生徒の「学習意欲」「規範意識」「自尊感情」「体力」などの数値が、全国平均値より低いこととされています。

 

 しかし、一体どれくらい低いのか。奈良県が「課題」としている2016年度の結果で見ると、「学習意欲」小学生−0.5%・中学生−2.6%、「規範意識」小学生−0.4%・中学生−1.3%、「自尊感情」小学生−1.8%・中学生−2.9%、「体力」小学生−0.54点・中学生−0.05点です。どれもほぼ平均並みと言えるものです。このように、少しよりも平均を下回ることを問題にし、対策を講じるというのは、各種調査の本来の趣旨をゆがめるものと言わなければなりません。

 

 

 

保育実践の細部にわたる干渉ではなく、保育環境の整備こそ必要

 

「就学前教育プログラム」とはどんなものか。アメリカの「ハイスコープカリキュラム」という、幼児自身の自己管理を土台とした発達観に基づく特殊な指導指針を取り入れ、県内の特徴的な保育実践をもとに、保育者に「具体的実践手法を身につけさせる」ものです。本来、保育活動はそれぞれの子どもの発達段階や個性に合わせて柔軟に対応する中で営まれるものであり、指導方法を細部まで指示し「教え込む」という手法は、就学前教育や保育活動になじまないものです。保育者の自主的な保育活動の妨げになりかねません。

 

 子どもたちの豊かな成長発達を保障するには、保育士の待遇改善や保育所の環境整備こそ必要です。子どもに寄り添った教育を求めて奮闘したいと思います。

カテゴリ:親バカ子育て日記 | 08:00 | comments(0) | - | - | - |
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