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議会最終日、予算の組み替えを提案

 

 日本共産党奈良県議団は議会最終日、新年度予算案の組み替え案を提案しました。賛成少数で否決されましたが、引き続き、県政のムダを指摘し、県民の願い実現に頑張ります。

 

◆実施を提案した事業

 ・子どもの医療費の窓口負担なし(完全無料化)実施…5億7千万円

 ・大学生むけ給付型奨学金…1億2千万円

 ・後期高齢者医療費助成…3億円

 ・介護保険利用者負担軽減…2億円

 ・学校給食費助成…1億円

 ・住宅リフォーム助成…9000万円

 

◆見直しを求めた事業

 ・国際芸術家村構想…7億2400万円(新年度分、事業総額は99億円)

 ・大企業向け企業立地補助金…9億円

 ・大立山まつり…8000万円

 ・東京「ときのもり」や奈良「NAFIC」など富裕層向けレストラン関連…4700万円

 ・京奈和自動車道大和北道路…19億円

 ・奈良公園への高級ホテル関連…2億6000万円

 

詳しくは「続きを読む」をご覧下さい。

 日本共産党を代表して、平成30年度一般会計予算、修正案の提案理由を説明いたします。詳しくは、お手元の(別紙1)と(別紙2)をご覧下さい。

 

 本修正案は、格差と貧困の広がりが深刻な中、県民生活を応援し、県内経済の活性化を願い、とくに、子どもの貧困対策を強化することや、未来ある若い世代を応援すること、高齢者の暮らしを支えることを念頭において、提案するものです。

 

 

 第一に、子育て世代の切実な願いに応え、子ども医療費助成制度を、窓口負担のない制度に改めます。
窓口負担のない制度(=現物給付制度)を実施した場合、国庫負担金の減額措置、いわゆるペナルティー措置がなされていましたが、政府は今般、就学前についてはこの措置を解除することとなりました。これに従って本県でも来年8月から、就学前について現物給付制度が実施されます。しかし、就学後から中学校卒業までについては、引き続き、いったん窓口で立て替え払いをおこない、一部負担金を除いた額を口座に返金する「自動償還払い制度」となります。経済的に厳しい子育て世代にとって、窓口での立て替え払いは大きな負担となり「月末には受診をためらう」などの要望が寄せられています。

 今回の提案は、窓口払いをなくした際に減額される国庫負担金を、市町村負担分も含めて県が補助するため、4億円を計上するとともに、一部負担金をなくすために5億7000万円を計上するものです。

 

 第二に、高額な大学学費により、経済的理由で学ぶ権利が奪われている学生を支援し、若い世代の県内定住を促進する制度として、大学生・給付型奨学金制度を提案します。この制度は、1億2000万円を計上し、経済的に厳しい環境にありながらも学ぶ意欲をもつ奈良県出身の大学生に対し年間授業料に匹敵する60万円を4年間支給し、卒業後奈良県内の事業所に就職する、あるいは定住した場合に返還を免除するもので、1学年あたり50名、4学年で200名分の奨学金を創設します。同様の制度は、沖縄県、長野県などで具体化が始まっており、本制度が若い世代の学びを応援し、県内定住を促進することを願って提案するものです。

 

 第三に、高齢者の生活を支えるため、後期高齢者保険料負担軽減補助金を3億円増額し、保険料負担を一人当たり年間約2千円軽減することを提案いたします。

 

 第四に、2億円を計上し、介護保険利用者の利用料負担軽減をはかるための基金を創設します。

 

 第五に、学校給食費の負担を軽減するため、1億円を計上し、経済的に厳しい家庭を支援します。学校給食費の負担軽減に取り組む自治体は、全国的に増えつつありますが、奈良県ではまだほんの一部にとどまっています。県として率先した取り組みを提案するものです。

 

 第六に、地域経済の振興をはかるため、住宅リフォーム助成制度のうち、とくに経済効果が大きかった一般助成制度を復活させ9000万円を計上することを提案いたします。住宅リフォーム助成制度は、地元業者の仕事を増やし、中小企業を振興すると共に、若い世代のリフォーム定住を促すことにもなります。

 

 

 これらの事業を進めるために必要な一般財源は、約17億8千万円です。これらは、不要不急の大型事業の見直し、県民合意が得がたいと考えられる事業の見直しで捻出することができます。

 

 

 第一に、マイナンバー制度は、膨大な個人情報を国が一手に握ることへの懸念が広がっており、国民のプライバシーを危うくする仕組みづくりを強引に推進することは認められません。また、東アジア地方政府会合や、平城遷都1300年記念アジアコスモポリタン賞受賞関連事業は、その内容に対する県民理解が広がっているとは考えられず見直すこととし、総務管理費を2億9345万円減額します。

 

 第二に、国民保護法体制整備推進事業は、国民保護を口実に県民を戦争に動員するための体制作りであり憲法に反するものです。また、奈良県への陸上自衛隊駐屯地誘致は、防衛省もその必要性を認めていません。自衛隊の主たる任務は国防であり、防災を強化するのなら、消防学校の新築移転と、不足する消防人員の充足を優先すべきです。これらの事業を見直し、防災費を1200万円減額します。

 

 第三に、奈良県国際芸術家村構想は、建物の建設費用だけで99億円と巨額なうえ、「コンセプトが曖昧」「交通の便が悪く見通しが心配」などの意見が寄せられています。文化財保護のための拠点や担い手を育成する機関は必要ですが、宿泊施設や物販施設、サイクルステーションを併設するなどの巨大な施設が必要とは考えられません。よって、地域振興調整費7億2400万円減額します。

 

 第四に、徴収強化に向けた取り組み事業、市町村税収 確保 強化事業、母子寡婦福祉資金 貸付金の 未収金対策 強化事業、奨学金返還 未収金 回収 委託事業は、民間債権回収業者に委託するなどし、給与の差し押さえなどを行うなど、困窮する滞納者へ寄り添ったものとはいえません。よって、徴税費を2718万円、市町村振興費を858万円、子ども女性費を139万円、高等学校費を518万円、それぞれ減額します。

 

 第五に、就学前教育推進事業は、全国学力テスト・体力テストにおける本県児童生徒の結果のうち、「学習意欲」「規範意識」「自尊感情」「体力」の指標が全国平均と比べて0.05ポイントから1.8ポイント低いことを理由に、これら、いわゆる「被認知能力」の向上を目的に、アメリカの「ハイスコープカリキュラム」なるものを取り入れ、子どもたちを早期から競争主義的な教育体制に組み込むものです。個々の子どもの成長に応じた柔軟な保育活動に制約を加えるものであり、保育者の自由な発想に基づく保育活動を阻害しかねません。よって、文化教育費を1764万円減額します。

 

 第六に、新市場開拓キャンペーン事業は、海外富裕層市場に特化しセールスを強化するものです。幅広く奈良の魅力を発信し観光振興に結びつけることこそ県の役割であり、事業そのものを見直す必要があります。また、宿泊観光客の増加に向けた冬期イベント=「なら大立山まつり」は、動員型のイベントで市町村関係者の負担も大きく、集客数のカウントや経済効果の算出などに関わって県議会でも議論が噴出しました。当初はこの「大立山まつり」の目的について、観光客が減少する時期に開催することで集客をはかるとしていましたが、今年からは観光客の集まる若草山の山焼きと日程を合わせ、来年からは「なら瑠璃会」イベントと日程を合わせるなど、当初の目的から、どんどんかけ離れています。また、平城宮跡をイベント広場として扱い、演出方法についても平城宮跡の真実性と大きく異なります。本来まつりは、参加者の内発的動機により発祥し、自発的取り組みで発展するものであり、企画そのものを中止するべきです。よって、観光費を1億1700万円減額します。

 

 第七に、人権啓発推進事業、「なら・ヒューマンフェスティバル」開催事業、差別をなくす強調月間事業、人権パートナー養成・活用事業、市町村等人権問題啓発事業は、人権擁護の施策としては適当ではないため、人権施策費を3809万円減額します。

 

 第八に、3年連続で定員割れが続く「なら食と農の魅力創造国際大学校(NAFIC)」は、高級レストランのオーナーを養成するというコンセプトを見直す必要があり、この地域における賑わいづくり事業も計画を見直す必要があります。また、東京都港区白金台に展開する情報発信施設「ときのもり」は、富裕層むけに奈良県食材をPRするものとされていますが、初期投資として1億1千万円を支出し、毎年1600万円もの財政支出をする一方で、県民的な恩恵が乏しく、費用対効果という点で事業そのものを見直す必要があります。よって、農業費4794万円を減額する。

 

 第九に、戦略的企業誘致事業および企業立地促進補助事業は、投資効果が期待できず、また正規雇用の拡大に結びつかないと考えます。また、奈良県国際芸術家村ホテル誘致事業は、さきに述べた理由により見直すこととし、産業政策費を9億3224万円減額します。

 

 第十に、京奈和自動車道促進対策事業、大宮通りの植栽及び修景整備事業、直轄道路事業のうち大和北道路部分につきましては、必要性が認められないため見直すこととし、道路橋りょう費を19億1346万円減額します。

 

 第十一に、リニア中央新幹線は、莫大な費用がかかり公費投入が懸念されることや、電力消費が大きく省エネに反すること、電磁波被曝など安全性の未確立など問題が大きく、建設そのものに国民的意義が乏しいことから、誘致するべきではないと考え、地域交通費を2828万円減額します。

 

 第十二に、奈良公園施設魅力向上事業のうち、吉城園周辺整備事業や高畑裁判所跡地整備事業は、名勝地であり幾重にも規制が設けられた地域へ、ルールを曲げて高級ホテルを誘致するものであり、奈良公園の魅力向上につながるとは考えられません。よって、まちづくり推進費を2億6070万円減額します。

 

 第十三に、人権教育推進体制事業など4つの事業については、差別解消に役立たず人権教育にふさわしくないと考えます。また、学校教育アドバイザリーチーム運営事業は、固定的な指導方針を教育現場に押しつけるものとなっており、教育現場の困難解消に役立たないと考えます。これらの理由により、教育総務費を740万円減額します。

 

 第十四に、奈良県立大学内におけるユーラシア研究と、そこが発行する冊子を無料で配布する事業などは、ある特有な感性で行われているものですが、県民合意が得がたいと考えます。見直すこととし、県立大学費を4751万円減額します。

 

 第十五に、捻出した財源の一部を、直面する県民生活を支える事業のための予備費として8898万円増額します。

以上で提案理由の説明と致します。なにとぞ議員各位のご賛同をお願いいたします。

カテゴリ:議会論戦 | 08:04 | comments(0) | - | - | - |
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