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ジョイアススクール〜障害のある人に青年期の豊かな学びを〜

 ↑学生の皆さんから要望をお寄せいただきました。


 ↑体育の授業の様子。


障害のある人に保障されていない「青年期の学び」

 よく、障害のある人の家族から、「行政は養護学校高等部卒業までは面倒を見てくれるが、卒業したら行くところがなくなってしまった」というお話をお聞きします。また、「高等養護学校を卒業後、就職する生徒も多いが、実際には5年間で半数近い人が転職している」という事例もお聞きします。
 
 健常児の場合、高校卒業後に就職する人は17%、大学や短大・専門学校に進学する人が約80%で、ほとんどの方が思春期に学びの場を持ちます。ところが障害者の場合、高等部卒業後は就職か福祉サービスの場で過ごすこととなり、思春期に豊かな人間関係を経験したり社会体験をする場が保障されません。県内の特別支援学校を卒業した生徒の進路は、就職が36%、福祉サービスが54%となっており、進学は7%に過ぎません。
 いま、社会は複雑多様化しており、障害のある人にこそ、思春期の時期に豊かな学びが必要ではないでしょうか。



注目される「福祉型専攻科」〜高等部卒業後の学び〜

 そんな中、一昨年、養護学校を卒業した人たちが豊かに学ぶ場として、県内で初めて「福祉型専攻科」の学校がオープンしました。一般社団法人みやこいち福祉会が奈良市に開設した「ジョイアススクールつなぎ」は、総合支援法を活用した福祉事業でありながら学校形式をとっている、新しい学校として注目されています。先日、党県議団で訪問し授業風景を見学、指導員や学生の皆さんと懇談をしました。

 学生は受給者手帳を交付され自力通学ができる18歳以上の人で、2年間の課程で学びます。修了後は就職や福祉サービスに移行しますが、希望すれば本科生として1〜2年学びを延長できます。定員は1学年10名の20名。学費は無料ですが教材費・活動費・積立金など1ヶ月8千円の負担が必要です。お弁当は不要で、総合支援法のサービスとして提供される給食の費用の一部を負担します(1食110円)。

 私たちが到着すると、学校長の阪東先生が「今日は議員さんたちがお客さんとしていらっしゃいました。議員さんは奈良県の知事さんに直接お願いできる人たちです。お願いしたいことはありませんか?」と問いかけると、学生たちは「通学定期は学割が使えるようにしてほしい」「電車の本数を増やしてほしい」「給食が続けられるようにしてほしい」としっかりと具体的な要望を話しました。



「居酒屋デビュー」など、社会生活にいきる豊かな学び

 「つなぎ」の授業は、人間関係・性教育・基礎学習を中心とした「体育・美術・音楽」など教科学習をはじめ、社会の仕組み・生活スキル・金銭管理などを身につける「経済社会」、パソコン・情報処理・礼儀作法・外出などを中心とした「情報・コミュニケーション、進路や職業について調べる「進路・職業」などの科目で構成されています。この日は体育の授業を見学しましたが、みなさん自分のペースでいきいきと授業に参加していました。

 学校では指導員が学生に寄り添い、学生自身の自己決定を大切にしながら、成長する力を引き出すことを心がけておられます。また、行事を大切にし、修学旅行の行き先を学生たちが決定し計画する、20歳の祝いとして居酒屋デビューをするなど、社会生活でのゆとりをつくる力を身につけます。

 このような学校は福祉型専攻科とよばれ、1960年代のおわりから80年代にかけて養護学校に併設されました。しかし、なかなか理解が広がらず、2000年までに9カ所しかありませんでした。ところが、2000年代以降に要望が強まり、2010年代に急速に広がり全国20カ所開設されています。



権利条約批准、県条例制定を力に、各校区に「福祉型専攻科」を

 昨年、日本政府が批准した障害者権利条約には「生涯学習の権利」が明記されており、障害のある青年・成人に学習権を保障することは国際的な流れになっています。アメリカでは21歳までの障害のある人に無償の公教育を保障する法律があり、イギリスでは19歳以降も通える教育・学習の場として継続カレッジがあります。障害者への教育が遅れて出発したといわれる隣国の韓国では、高等部のあとに「専攻科」が設置されている特別支援学校が増えています。

 奈良県では、さきの2月定例県議会で「奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」を制定し、これからの取り組みが求められています。ようやく始まった「福祉型専攻科」の学校が、県内に5校ある知的障害養護学校区ごとに設置されることを強く求めます。



 
カテゴリ:青年の未来を切り開こう! | 23:45 | comments(0) | - | - | - |
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