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県議会報告11月号が完成―高校削減・耐震化放置問題など

 県議会報告11月号が完成しました。高校削減・耐震化放置問題、西和医療センターの存続と充実、小菊ブランド支援(ロボット導入支援)、免許更新時の「高齢者講習」待機時間改善など、9月議会の報告を掲載しています。

 1週間以内に駅頭配布、新聞折り込みを予定しています。

 

 

カテゴリ:政策と主張 | 22:59 | comments(0) | - | - | - |
高校削減・再編が強行可決―反対討論にたちました

 

 高校削減・再編成に関する条例案が強行可決されました。同時に、奈良高校の耐震化を求める請願と、平城高校の存続を求める請願は否決されました。

 来春の県知事選挙・県議会選挙では、県政の主要課題と合わせてこの問題も大きな争点にしなければなりません。

 

◆高校再編成は凍結し白紙撤回、奈良高校をはじめとする公立高校の安全対策をいち早く。

◆奈良公園を破壊する高級ホテル誘致は中止し、奈良公園の環境を守り生かした観光行政への転換を。

◆奈良県の医療体制を崩壊に導く「地域別診療報酬制度」の導入は許さない。

◆県民に膨大な財政負担をかけ、平城京の地下トンネルで埋蔵文化財を破壊する高速道路計画は凍結を。

◆「奈良モデル」と称したトップダウンで市町村支配を強める体制を改め、市町村の創意工夫が生かされる県政運営を。

 

などを争点に、新しい知事の誕生で政治の流れを変えましょう!

 

 

 

 本日、議案に対する討論に立ちましたので、討論を掲載いたします。

 

 

 

 日本共産党を代表して、議案に対する討論をおこないます。

 

 今定例県議会では、小・中学校の普通教室にエアコンを設置しようとする市町村への補助金が創設され、補正予算案に盛り込まれました。振り返りますと、この問題を初めて県議会で取り上げたの2010年9月の文教委員会でした。当時は設置率は2%台でした。その後も繰り返し取り上げ、東京都のような補助金を奈良県も創設するべきだと提案し、今年の6月議会代表質問でも知事に問うてまいりましたが、このほど実現に至ったことは大変、感慨深いものがあります。4分の1の助成という金額に不十分さがあるものの、さっそく県内市町村では具体化が検討されています。よって、補正予算案には賛成するものです。

 

 

 議題80号は、養護老人ホームの運営に関して規制緩和を行うものですが、看護師や介護職員の設置基準を緩和することにより、利用者に対し十分なサービスが行き届かないおそれがあります。よって賛同できません。

 

 

 議題81号は、県立高校を削減・再編成するものですが、6月議会に引き続き、反対世論が高まっています。

 人口規模が同程度の県で最も高校数が少ない本県において、さらに3校も県立高校を削減することは、子どもたちから進路選択肢を奪い、地域からは防災拠点、社会活動の拠点を奪うものです。また、財界の要請にこたえた人材づくりと称して、普通科の学校を減らし専門科・職業科を増やすことは、「豊かな普通教育を受けさせたい」という県民の願いに背き、教育基本法のかかげる「全面人格形成」から逸脱するものです。格差と貧困の広がりの中、経済負担が軽く進学できる公立高校の役割はますます重要であり、これ以上の学校削減は、公教育の役割を投げ捨てるものと言わなければなりません。

 

 さらに、平城高校を一方的に廃校してその跡地に奈良高校を移転させる前代未聞の手法に対し、全県的に批判の声が広がっています。県立高校の発展を願う会が県選出国会議員5名を含む県内の全議員550人に行った公開アンケートによると「県民的議論が尽くされたか」の問いに回答した155名のうち82%にあたる127名が「尽くされていない」とこたえています。教育長は急遽、対象となる高校生徒代表との懇談を開始されましたが、昨日おこなわれた平城高校生徒との懇談では「なぜ平城高校が廃校になるのか」「もっと生徒の意見を聞くべき」という生徒からの厳しい意見に対し、納得のいく回答がなく、生徒が泣き出す場面もありました。また、予算委員会でも明らかになりましたが、県立高校再編計画審議会要綱がありながら、審議会を設置せず、内部で極秘に検討を進めていたことは重大問題です。

 

 今議会では、2010年から順次進められていた奈良高校の耐震化工事が、「高校再編」を理由に2015年12月に突然、中止されそのまま放置されていた問題が焦点になりました。この時期に一体何があったのか―平城高校の耐震化が2015年10月に完了し、その後「奈良高校改築なら42億円、平城高校跡地に移転なら3億円」と試算されるなどしています。奈良高校改築費用を浮かせるために、奈良高校と同じ規模の平城高校が廃校のターゲットになったのです。

 

 奈良市議会では6月に全会一致で反対意見書が決議されたのに続き、9月25日には22名の市議による奈良高校の安全対策と高校再編条例の議決延期を求めるアピールが出されました。また、奈良市当局は8月、奈良高校の2次避難所指定を解除し、9月18日には「耐震強度の低い施設を放置している」として市が県に対し行政指導するという異例の事態に至っています。

 今議会の中で知事は、県教育委員会に県立高校の耐震度の再調査と安全対策を指示し、代替施設の可否を含めて早急な検討がなされることになりましたが、国が求める安全基準には到底及びません。

 

 奈良県では県内中学校を卒業した生徒の約12%が県外私学に遠距離通学を余儀なくされている実態もあり、県立高校の定数を確保しつつ、魅力ある学校へと発展させることが求められています。県民的な議論と合意の上で高校教育を発展させていくことが必要です。

 

 

 議題84号は、(仮称)奈良県国際芸術家村整備事業にかかる請負契約ですが、事業の意義や経済効果について県民的合意が得られておらず、認められません。

 

 

 請願8号、9号については、県立奈良高校の安全対策や高校再編成に関する県民の切実な願いであり、採択するべきであり、賛成といたします。

 

 以上で討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

カテゴリ:政策と主張 | 23:35 | comments(0) | - | - | - |
9月議会で県立高校削減・再編成の条例案―県民世論に逆行する強行は許されない

 高校削減・再編成を実施する条例案が9月議会に上程されています。9月27日に付託された委員会で採決され、反対は宮本次郎とと中川議員の2名、残る6名は賛成という結果(阪口委員長は採決に加わらず)でした。

 10月5日に採決されれば条例は成立、高校削減・再編生成がすすめられます。

 

 人口規模が同程度の県では断トツに少ない高校数(他県は50〜60校、奈良県は33校)をさらに3校も削減する問題や、普通科の学校を減らし専門科・職業科を増やす問題、さらに、平城高校を一方的に廃校してその跡地に奈良高校を移転させる問題など、6月議会以降、全県的に批判の声が広がる中での強行です。


 県立高校の発展を願う会(代表:鳥見浩憲氏)が県選出国会議員5名を含む県内の全議員550人に行った公開アンケートによると、「行政から説明を受けたか」の問いに回答した156名のうち77%にあたる120名が「受けたことがない」とこたえ、「県民的議論が尽くされたか」の問いに回答した155名のうち82%にあたる127名が「尽くされていない」とこたえています(下グラフ。

 

 

4年前から教育委員会内部で検討―奈良高校耐震化とリンクさせる

 

 9月議会で私は、2010年から順次進められていた奈良高校の耐震化工事が、「高校再編」を理由に2015年に突然中止されそのまま放置されていた問題について追及しました。

 情報開示請求で入手した内部資料によると、耐震強度が極端に低い奈良高校について、2010年に耐震化計画が立てられ、順次耐震化がなされていました。コンクリート強度不足から工事が困難とされた校舎棟については、2015年度に改築の設計がなされていました。

 一方で、県教育委員会は、現吉田教育長が就任した2014年から高校削減・再編成の検討を開始。奈良市内の3校(平城・登美ヶ丘・西の京)の再編成が検討されていましたが、2015年12月に突然「奈良高校の耐震化は中止、再編成計画に伴い2022年に平城高校跡地へ移転」という案が決定されました。直後には知事にも報告され了承、一気に「平城高校廃止・跡地へ奈良高校を移転」という計画が加速したのです。

 

 

平城高校の耐震化完了のタイミングで「跡地に移転」計画が急浮上

 

 この時期に一体何があったのか?――調査を進める中で、平城高校の耐震化が2015年10月に完了し、その後「奈良高校改築なら42億円、平城高校跡地に移転なら3億円」と試算されていたことがわかりました。知事は私の一般質問への答弁で、この頃から定期的に県教委から報告を受けていたことを認めました。奈良高校改築費用を浮かせるために、1学年10学級(当時)の奈良高校が収まる規模の平城高校が廃校のターゲットになったと言えます。

 

 

広がる県教育行政への不信感―知事は批判受けて対策を指示

 

 奈良市議会では6月に全会一致で反対意見書が決議されたのに続き、9月25日には22名(定数39)の市議による奈良高校の安全対策と高校再編条例の議決延期を求めるアピールが出されました。また、奈良市当局は8月、奈良高校の2次避難所指定を解除し、9月18日には「耐震強度の低い施設を放置している」として市が県に対し行政指導するという異例の事態に至っています。

 9月定例県議会で連日の追及を受ける中、知事は9月26日、県教育委員会に県立高校の耐震度の再調査と安全対策実施を指示。代替施設の可否を含めて早急な検討がなされるに至りました。

 

 

今後10年ごとに削減・再編成―県民的議論を

 

 高校削減・再編は今後10年ごとに計画される見通しで、県教育委員会は「郡・市ごとに1校の普通科」を基準に順次学校削減を進めるとしています。西和地域では、生駒・奈良北(生駒市)、西和清陵・法隆寺国際(生駒郡)、香芝・大和広陵(北葛)などが対象になると見られています。

 奈良県では県内中学校を卒業した生徒の約12%が県外私学に遠距離通学を余儀なくされている実態(下グラフ)もあり、県立高校の定数を確保しつつ、魅力ある学校へと発展させることが求められています。県民的な議論と合意の上で高校教育を発展させていくことが必要です。

カテゴリ:政策と主張 | 13:10 | comments(1) | - | - | - |
小中学校のエアコン設置へ県支援―9月補正予算で9億円の債務負担行為

 

 

 6月定例県議会代表質問で私は、県内小中学校のエアコン設置率が7.4%と全国ワースト2位であることを示し、県独自の補助金創出を求めました。知事の答弁は、「市町村振興基金を積み増し、低利率で貸し付ける」というもので、補助金については厳しい姿勢でした。

 しかしその後、7月の猛暑や、愛知県で小学1年生児童が熱中症とみられる症状で亡くなるなどの事態をうけ、今定例県議会では、9億円の債務負担行為という形で、市町村が負担する分の4分の1を県が補助する補正予算案が提出されるに至りました。30年度中にエアコンを設置(工事が31年春になる場合も可)しようとする市町村を支援する内容です。

 

 私が初めて小中学校のエアコン設置を議会文教委員会で取り上げたのが8年前、2010年9月9日(http://narakengi.jcp-web.net/?p=496)でしたが、当時のエアコン設置率は2%台でした。今回の具体化は、本当に感慨深いものがあります。


 さっそく、多くの市町村で歓迎する声がありますが、国庫支出の枠組みが10月にならないとわからない上に「来年夏までの工事となると業者の確保が難しい」などの声も伺っています。確実に実現するよう県の取り組みを求めてまいります。

カテゴリ:政策と主張 | 12:26 | comments(0) | - | - | - |
倒壊危機の奈良高校―再編理由に放置は許されない

 

 

 

高校耐震化、奈良県は全国ワースト2位

 

 文部科学省が8月28日に発表した公立学校施設の耐震改修状況によると、奈良県内の高校の耐震化率は89.98%(全国平均98.2%)で4年連続ワースト2位であることが明らかになりました。小中学校は99.5%(同99.2%)で27位、幼稚園は89.6%(94.6%)で38位、特別支援学校は100%で耐震化を完了しています。

 体育館などのつり天井については、小中学校の12棟のうち6棟、高校の7棟のうち6棟で未対策です。学校施設は学習の場であるとともに、災害時の避難場所にもなるため、早急な対応が求められます。

 

 

倒壊危機の奈良高―耐震化検討するも高校再編で先送りに
 

 なかでも奈良高校は、耐震改修促進法等で判定基準とされているIS値(※)0.6未満の建物が7棟あり、そのうち「倒壊する危険性が高い」IS値0.3未満の建物が5棟あります(別図・別表)。同校の耐震化は2009年頃から話題になり、東日本大震災のあった2011年の10月には県教委宛に新築移転も含めた「全面改修要望書」が提出され、耐震工事の実施設計や2013年にはプレハブ校舎の図面立案まで行われました。ところがその後、2015年に「高校再編成も含めた計画の立て直し」を理由に耐震化は見送られ現在に至っています。

 

 

奈良市は避難所指定を解除―県はいち早く対応を
 

 9月議会で高校再編の条例(計画は6月議会で強行可決された)が議決されれば、県立奈良高校は2022年春に平城高校(耐震済)地に移転され「耐震完了」となりますが、それまで3年半もの間奈良高校の耐震化は放置され、生徒は命がけで学ぶことになります。奈良市は同校を2次避難所に指定していましたが、今回の事態を受けて8月、指定を解除しました。
 県教委は8月の文教くらし委員会で私の質問に「補修などで対応」としましたが、安全確保にはほど遠い現状で、人命軽視との批判は免れません。9月議会でもこの問題を取り上げて参ります。

 

※2006年1月に出された国土交通省告示第184号は、建物の耐震度を表すIs値について
  ・IS<0.3     ― 地震に対して倒壊または崩壊する危険性が高い
  ・0.3≦IS<0.6  ― 地震に対して倒壊または崩壊する危険性がある
  ・0.6≦IS             ― 地震に対して倒壊または崩壊する危険性が低い
 としています。

 

 

カテゴリ:政策と主張 | 09:49 | comments(0) | - | - | - |
障害者雇用「水増し」―奈良は61人、全容解明を

  中央省庁などで相次ぎ発覚した障害者雇用の「水増し」問題(※)で、県は8月31日、本年度の障害者雇用について、知事部局で7人、教育委員会で54人、計61人の「水増し」が行われていたことを明らかにしました。
 

 この「水増し」分を差し引くと、実際の障害者雇用率は知事部局が2.85%から2.71%に、教育委員会は2.43%から1.53%に低下し、教育委員会は法定雇用率を大幅に下回ることになります。
 

※障害者雇用の「水増し」問題
 中央省庁が雇用している障害者数は約6900人としていましたが、障害者手帳の確認など国の指針が定めた措置がとられておらず、実際には3400人余と半数にも届いていないことが発覚した問題。

 

 

障害者の雇用機会を奪ってきた大問題―全体像の解明を
 

 民間企業や行政機関は、一定割合以上の障害者雇用が法律で義務づけられています。昨年6月時点で厚生労働省が取りまとめた実雇用率は、法定雇用率を上回るものでしたが、その後「水増し」が次々と発覚しています。民間企業には法定雇用率を下回れば納付金の徴収を課す事実上の罰則がありますが、行政機関にはそのような罰則はありません(下表)。

 

 

 一連の「水増し」発覚は、民間企業に障害者雇用を促し指導する行政機関が、実際と異なる数字を使い「目標」を達成しているかのように偽ったもので、障害者行政への信頼を根本から覆す裏切り行為です。「水増し」は1976年の制度導入当初から行われていたとの指摘もあります。

 40年以上にわたって多くの障害者の雇用機会を奪ってきたおそれがある大問題です。全体像の解明を求めて参りたいと思います。

 

カテゴリ:政策と主張 | 10:10 | comments(0) | - | - | - |
小中学校へのエアコン設置へ県支援の具体化を―不要不急の事業見直せば実現可能

 

 奈良県の小中学校普通教室へのエアコン設置率が7.4%と全国ワースト2位の現状について、6月議会代表質問で私は「市町村任せにしてきた県の責任は大きい、県独自の補助金創設であと押しを」と求めました。荒井知事は補助金創設について明言を避けましたが「市町村振興資金を5億円から10億円に増額し貸付利率を軽減したので活用を」と述べました。


 その後、愛知県で小学校1年生男児の死亡事案なども受け、知事は、県として何か支援ができないか検討するよう市町村振興課に指示しました。
 

 8月2日(木)、日本共産党県議団と地方議員団は、県の学校支援課と市町村振興課に対し、7月末に知事が表明した「エアコン設置への県支援」の早急な具体化を申し入れました。


 奈良県内の小中学校でエアコン未設置教室は約4000(2017.現在)。全ての教室にエアコン設置を行うのに、平均的な設置費用の約半額(100万円)を助成する制度を創設するとしても必要な予算は40億円です。国際芸術家村構想(約99億円)、登大路ターミナル(約48億円)など不要不急の事業を見直すことで捻出することは可能です。

 

 引き続き、実現に向けて声をあげて参ります。

カテゴリ:政策と主張 | 14:30 | comments(0) | - | - | - |
平城京跡の地下に巨大なトンネルを掘る高速道路計画

 

 京都・奈良・和歌山を結ぶ「京奈和自動車道(全長約120km)」のうち、これまで事業化されていなかった大和北道路(奈良市―大和郡山市)の北半分(奈良北〜奈良インターチェンジの6.1km)について、今年度、国土交通省が約1億円の調査費用を計上。県も約18億円の関連事業費を計上し、2032年の開通を目指して新たに事業化されました。

 

 

「合併施工方式」で事業化に転じるも、膨大な費用負担に変わりなし

 

 同区間は、平城京跡の地下に巨大なトンネルを掘る計画であることから、1990年代〜2000年代にかけて「埋蔵文化財を守れ」「世界遺産を破壊するな」と反対世論が高まりました。また、大和北道路全体で約2900億円の費用負担のうち3分の1を県が負担することから、荒井知事は就任1期目の2010年に財政負担を理由に「新規事業化は要望しない」と断念を表明していました。

 ところが今回、建設費のほとんどを国や自治体が負担する「直轄方式」から、有料化を前提にNEXCO西日本(旧道路公団)が管理し工事費用の一部を負担する「合併施工方式」に改め、県の費用負担が2割ほど軽くなることをもって新規事業化に転じたものです。しかし、それでも県の費用負担は500億円を上回り、膨大な費用負担には変わりありません。

 

 

地下トンネルによる埋蔵文化財破壊

 

 最大の問題は、地下トンネルで埋蔵文化財が破壊されることです。国土交通省は「保全対象区域」を平城京跡全体ではなく平城宮跡に限定しました。長屋王木簡や二条大路木簡など貴重な成果のあった文化財は宮跡外から出土しており、これまでの出土品の7割以上が宮跡外から出土していることから、広域的な保全が不可欠です。また、豊富な地下水で守られている文化財ですが、現在行われている地下水のモニタリング調査には異常時の原因解明や保全策はとられておらず、実効性の保証がありません。

 

 

需要とかけ離れた交通予測

 

 2つめに、実際の交通需要と将来予測に乖離がある問題です。1999年の道路センサス(交通情勢調査)によると2020年には7万4千台と予測されていた1日あたり通過交通量が、実際には2015年センサスで5万5千台に減っており、今後さらに減少することが見込まれます。また、大型車などは有料区間を回避する傾向があります。大和北道路の有料化は、奈良市内・大和郡山市内の国道に通過交通を引き込み、渋滞を悪化させかねません。国道24号線の改良による渋滞解消こそ優先すべきです。

 

 

高速道路で企業立地が増えるとは限らない

 

 荒井知事は高速道路整備で企業立地が増えることを推進理由の1つに挙げますが、そもそもトンネル部分の6.1kmは企業が立地できません。また経済産業省が奈良県の立地企業21社に対し理由を問うたアンケートでは「本社や自社工場に近い」が10件だったのに対し、「高速道路を利用できる」は1件にとどまっています。高速道路と企業立地の相関性は低いと言えます。

 

 

財界主導の高速道路建設から、生活道路重視の道路行政への転換を

 

 荒井知事は3月の予算委員会で、今回の事業化の背景には関西財界からの強い要望があったことを明らかにしましたが、もっと県民の声に耳を傾けるべきです。世界遺産を破壊し、県民に膨大な費用負担を押しつけ、実際の需要とかけ離れた事業は見直し、国道の改良や生活道路の整備、地域公共交通の充実などに軸足を置いた道路行政への転換を求めて参りたいと思います。

 

 

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「監獄ホテル」に設置される行刑史料館に、平和と民主主義を主張し囚われの身となった人々の事績展示を

 

 

 2017年3月末で廃止された奈良少年刑務所(旧奈良監獄)は、明治時代に監獄の近代化をめざして建造された5大監獄のうち唯一現存する洋風建造物であることから、重要文化財として保存活用されることとなり「監獄ホテル」に生まれ変わります。地元住民の皆さんをはじめ、少年刑務所の更正事業を支えてきた人々が保存を求めて運動を展開し、奈良県議会でも2016年6月に保存を求める意見書が全会一致で採択されました。

 2017年12月には、法務省と「旧奈良監獄保存活用株式会社」との間で契約がなされ、‖竸眠修など「改修業務」、∋卜狙依・展示など「史料館の運営」、ホテル運営など「付帯事業」の3つの柱が示されました。同所が日本の行刑史を展示する監獄史料館となることを歓迎します。

 

 旧奈良監獄には戦前、平和と民主主義を主張した人々が思想犯として収監された歴史があり、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟奈良県本部の調べによると130名を超える人々の名前が特定されています。2017年6月定例県議会では、こうした人々の事績に光を当てた展示を求める意見書が全会一致で採択されました。旧奈良監獄に関する意見書としては、前年に引き続く2本目の意見書となります。

 このほど、(株)小学館集英社プロダクションが同史料館の運営業務を担うことに決まったことから、改めて奈良県議会で採択された2本目の意見書の趣旨を踏まえ、「企画展示」にとどめず「常設展示」となるよう法務省に申し入れました。担当者は「108年の歴史を史実に基づいて紹介するのは当然のこと」と当方の主張に一定の理解を示し、「2019年秋の部分開館、2021年春の全面開館にむけた準備の中で、協議していきたい」とこたえました。

 

 戦前に「治安維持法」が猛威を振るい国民を弾圧した歴史は、日本の行刑史でも大きな部分を占めます。戦後確立した民主主義を大きく発展させるためにも、平和と民主主義を主張し囚われの身となった人々の事績を「常設展示」することを強く求めて参りたいと思います。

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当初目的から逸脱しつつある官制イベント「大立山まつり」―継続か否か検証を

 

 観光客が少なくなる2月上旬に平城宮跡で実施する「集客イベント」として、突如2016年に「発祥」した大立山まつり。外国人観光客に人気のあるねぶた祭を模した「大立山」を巡行させることを目玉に、各市町村の協力を得ておこなうご当地グルメ「あったかもんグランプリ」や、各地の祭りを紹介するイベントとして今年で3回目を迎えました。

 

 しかし、県が100%出資する官制イベントに、様々な批判の声が寄せられています。当初2億円の公費を投入し2回目以降も8000万円の経費をかけている点への「費用対効果」の問題、会場が暗くて寒く動員された県職員や市町村関係者の健康管理の問題、「日本中の神様が集まる大極殿にお祈りしましょう」と呼びかける史実に基づかない神事をめぐる問題などです。

知事は議会で「百年続けば伝統になる」と述べるなど強気の姿勢を見せていましたが、批判を受け今年から期間を3日間に縮小。日程も「閑散期に集客を狙う」という目的を大きく変更し、集客力のある若草山焼きに合わせることになり、もはや公費を投入する理由が成り立たなくなっている状況です。

 

 今年は初日に大きく冷え込み、オープニングの和太鼓演奏を担当した高校生が低体温症で救急搬送される事態も発生し、イベントの継続に疑問の声も上がっています。本来、祭りは人々の暮らしや習慣の中から発生し内発的動機によって発展するものであり、各地で取り組まれている官制イベントも職員の負担などを考慮し縮小・廃止の流れが強まっています。奈良県の伝統的なお
祭りを支援するというのなら、イベントのあり方を大きく見直すべきです。

 

参加者数  経費 備考
第3回・2018年 24,452人 8000万円 3日間に縮小。日程を若草山焼きに合わせる。

第2回・2017年

26,363人

8000万円 5日間。カウントを正確にした。
第1回・2016年 51,000人 2億円 5日間。水増しカウントが指摘される。

 

 

 

 

 

 

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